なぜわざわざ満足度を計測したがるのか?

よく「顧客の満足度を向上させよう」ということが会議で話題になったりする。
すると、マネジメントの観点から「満足度を測ろう」となる。
そして、顧客へアンケートフォームを送ったり(このアンケートもおおざっぱに1〜5段階評価)ヒアリングしたり(営業の接待つき)するだけのテキトーなやりかたである。
ちなみにリクルートエージェントがそんな感じだった。


しかし、満足度なんてものは客観的なものであり、絶対的な尺度で計測できるわけがない。
こういった施策のほとんどは失敗しているか形骸化して消滅していってるのがほとんどだと思う。
俺が今までいたところは全部そうだった。


で、たしかに不特定多数のエンドユーザーを相手にしている業界ならこういった話題が出てくるのも当然で、アンケート結果がすべてかもしれない。
しかしB2Bの案件をかかえている企業がこの体たらくではおはなしにならないと俺は思う。
なぜなら満足するべき顧客が目の前にいるのだから。


ではどうすればいいかというと、満足度なんて計測する必要はなく"満足する価値"を与え続けるだけでいいのである。
要は、満足する価値を顧客に選択させればいいだけのこと。
そうすれば顧客は満足するのだからわざわざ計測したりして向上に努める必要なんてないのである。


にもかかわらず顧客の満足度を計測したい、向上させたいのかというと顧客が自分達の仕事ぶりを見て怒っているのか満足しているのかがわからないからである(往々にして怒っている)。
ならなぜ顧客が満足しているのかわからないのかというと、そんなことを考えたこともないからである。
「自分達は言われたままに仕事をしているだけなのに」というような感じだ。
そういう人たちは往々にして案件を受注し、スコープを確定させて納期までにそれらの仕事を仕上げるというようなマネジメント本の"書かれたままに仕事をしているだけ"だからだ。


数々のアジャイル本に書かれているようにそんなやり方ではぜんぜんダメで、納期がくる頃にはキックオフ時に価値があったものなぞクソ以下。
それでは顧客が怒るのも当然である。
このへんの概念がわからない以上、同じように満足度向上委員会が発足され続けるのは明々白々である。