本当に 勝利はしたけど多くの課題を残したのだよ

就職活動を始めたとき、自信半分不安半分だった。


自信の部分は、今までの実績もあるしなによりそんじょそこらの人間には負けないくらいの思想や考え方を確立して、それでいろんな成功をつかんできたという確固たるアイデンティティというか、今後死ぬまで変わらない軸みたいなものを身に着けたというところ。
不安の部分は、技術者としてもビジネスマンとしてもなにもかも技術的な面で"中途半端"ということ。なにが完成されたものか、中途半端でないのか、みたいな定義は無いんだけど、それでも資格とか能力を裏付けるような「自分はこういうものを持っています!」というものを俺は持っていなかったこと。


そして不安の部分は日を追うごとに大きくなっていった。
履歴書や職歴書を書くときにいい機会だからついでに今までの人生をじっくり思い返したんだけど、驚くほど価値のあることを行ってこなかったからだ。
必死にがんばって仕事してきたように見えて、思えば組織ぐるみでゴミみたいなことしかしてこなかったことに気づいた。
当時も思ってたけど本当に穴掘って埋めて賃金を振り分けられていただけだった。


決定的だったのはとある企業での面接だった。
最近流行りのスマートフォンモバイルで大儲けして六本木に事業所を移した第二希望の企業だった。
1次面接を受けた直後に合格通知が来て2日連続で面接を受けにいった。
2日目の面接はCEOとの面接でかなり好感触で、これは確実に合格だなと思った矢先、帰る途中に紹介会社から連絡があり、まだ役員面接が残っていたからと急遽3次面接を受けてほしいとのことだった。
そこに現れたのはその企業のCTOで顔は企業紹介のページで既に知っていた人だった(ちなみに俺は訪問する企業に関しては事業内容や沿革だけでなくCEO以下名前が出ている役員やメンバーの顔と名前を覚えていく)。


今思えば、圧迫面接の類だったんだろうけど、100%技術的な質問で返答がまったくできなかった。
完全に打ちのめされたという感じ。
「技術者志望なのにアンタ何もわかってないじゃん」みたいな。
なにもかもその人の言うとおりで、途中で一言も声が出なかった。
意識を保っているのがやっとという感覚を味わったのは人生で初めてだと思う。


案の定その企業はこの面接の直後に不採用通知が来た。
その後もショックは続いてそのまま年末を迎えた。
自信の無さが後を引いて以降の企業はほとんど落ちた。
合格した企業はとある企業の直前に最終面接を受けた企業だったのでした。