婆語━死闘変━

もう20年以上も前のこと。
俺の両親は共働きでいつも父方祖母の家で面倒を見てもらっていた。
祖母は一日中家にいて、俺はよく一人で遊んでいた。
たまにいとこがきたり、祖父や伯母がいたりするのだが、基本的には祖母と二人っきりということがほとんどだった。
俺と祖母の関係はというと、方や型破りなクソガキ、方や昭和ヒトケタ生まれというような人間関係だから、良好ということはなく、いつもケンカばかりしていた。
いつも、上からハンマーが降ってきたりジャングルジムから落ちたりしていた。


小豆を水に浸しているのを見ていたときのこと。
trs「なんで、この豆は浮いてるのがあったり沈んであるのがあったりするの?」
婆「おめぇみたいにダメなのと**(いとこ)みたいにお利口なのを分けてるんだよ」
というように、いつも俺はいとこと比較されていた。
いとこは一個上で、そこそこ成績がよく大人に従順だった。
知能の面でも、俺よりも一学年先輩なわけだから大分違うのにも関わらず同じように扱われいつも俺はバカ扱いされていた。
どこへ行くにしてもいとこの機嫌が最優先で、俺がなにか言っても聞く耳持たずという環境で俺はだいぶ歪んでいたのではないだろうか。


ある日の事、いつものようにケンカをしていた。
trs「ババァ、殺す!!」
婆「殺してみろや犯罪者コラァ!!」
trs「死ね!」
と言いながら首を絞めた。
婆「グヘェェァアアア」
という叫びとともに祖母は死んだフリをした。
trs「死んだフリしてんじゃねーよ!」
婆「・・・」
trs「死んだフリしてんじゃねーよ!コルアァ!マジで殺すぞ!」
婆「・・・」
まったく返事がないので強制的に目を開いて突っついた。
婆「痛ぇじゃねぇか!殺す気か!」
trs「殺す気だ!死ね!」



というような日常でした。
今、父方の家族とは絶縁中です。